「情熱を持って打ち込める仕事を見つけよう」の幻想

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

思い起こせば私の就活時代にも、「情熱を持って一生打ち込める仕事を見つけよう」というアドバイスをよく受けたものです。

ではどうやって見つけるのか?

と質問された時、 「いろいろと経験してみる」、挙句の果てには「とことん探してみるしかない」

そんな回答しかだせないのです。

情熱が持てるかどうかは、見つけ出そうとしている本人の価値観にのみ依存するからであって、他人が決めることができないからです。

見つけ出す方法についても、人それぞれ千差万別で、方法論としてひとつに確定できないものと言えます。

当時の自分もそんな回答に、なんとなく煙に巻かれたような気分になったことを思い出します。

しかしながら今でも就活生に対してそのようなアドバイスは続いています。

本質的には正しいのですが、具体性に欠かけることは火を見るより明らかです。

Taka Umada氏の【「情熱を探そう」というアドバイスはもうやめよう】というレポートは、そんな煙に巻かれた気分を払拭してくれるものでした。

情熱は探すものではなく、育むものであるという新しい発想です。

目次

「情熱を探す」のではなく、「情熱を育む」という発想

何事かに対する情熱は時間の経過とともにその矛先が変化していくのが当たり前です。

それは積み重ねられた経験にもとづく本人の成長のためかもしれませんし、本人がおかれた環境にともなう外的要因によるものなのかもしれません。

非常に夢のない話かもしれませんが、いかに情熱を傾けられる仕事を見つけたと感じたにしても、未来永劫それを同じような状態で続けられるということは、よほど限られた幸運に巡り合わない限り現実的ではありません。

100%の情熱を傾けられる仕事を探すことに、時間や体力を費やすことがひとつの方法であれば、ある仕事に対して、自ら情熱を育むことができる技術を身につけることも、別のひとつの大切な方法と言えるのではないでしょうか?

そして後者の方法であれば、時間の経過とともに変化する情熱の矛先に柔軟に対応できるという余裕が生まれるような気がします。

自らの経験からも、情熱を傾けられる仕事を見つけるよりも、見つけたものにその後長期にわたって同じように情熱を注ぎ続けることの方がよほど困難だと感じるからです。

重要なことは、もし仮に情熱を傾けられる仕事が見つかったと感じた時、
実際はそれがスタートラインなのに、人はそれをゴールと錯覚してしまうことです。

一度傾けられると思った情熱は、その後未来永劫続くのではないかという根拠のない先入観に支配されてしまうのです。

就活と婚活は良く似ている

巷でも良く言われることではありますが、確かに就活と婚活は良く似ています。

どちらもその後長い間自分の人生を大きく左右するものだという前提がありますから、誰しもその選択にはしっかりと見極める努力をすることでしょう。

その努力自体は非常に大事なものです。

婚活が実って良きパートナーとめぐりあえた後は、愛を育むことによって末永く仲良く暮らすということがすんなり受け入れられるのであれば、就活が実って良き仕事に巡り会えた後は、その仕事に対して情熱を育むということがいかに大切かも理解しやすいでしょう。

繰り返しになりますが、良きパートナーや良き仕事にめぐりあうことは、実に困難なことのように錯覚しがちです。

しかしながら実際には、そのあと長い間その愛情や情熱を維持していくだけでもよほど難しいことであり、さらに育むというレベルに至るためには、苦しい経験をし、それに対する対処法を身につける鍛錬が必要になるのが現実です。

完璧な出会いを追うのではなく、出会いを大切にし良いところを見出し続ける技術を磨くことが大切

完璧に情熱を傾けられる仕事を探し続けるあまり、探す情熱を失ってしまうのは本末転倒と言えます。

少しでも情熱を注げられそうな仕事に出会えれば、その出会いを大切にし、その仕事に対する情熱を育んでいく気持ちが重要です。

常に良いところを見出し続ける技術を鍛錬することが、情熱を育むための最も近道になると思います。

そしてその技術は情熱の矛先が変わった場合でもなんらかわりなく有効です。

まとめ:良いところを見出し続けられる技術は、ポジティブに生きる原動力

仕事に対する情熱を育むという発想を知ることによって、長年感じていた就活生へのアドバイスの違和感が氷解してきました。

今まさに苦しんでいる就活生にもひとつの考え方の指針になるように思います。

良いところを見出し続けられる技術を鍛錬することは、ポジティブに生きる原動力になります。

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この記事を書いた人

こんにちは。たかたんです。
ふと気づけば、この世に生をうけてから半世紀以上がたちました。
ほんものの「おやじ」ですね。
次の世代がより豊かな人生を送ることを願ってブログを綴っています。

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