人間関係を円滑にするより良いコミュニケーションのためには、「認める」、「聴く」、「質問する」というスキルが重要だっていう話は聞いたことがありますよね?
その中で「認める」っていうのが今ひとつ腑に落ちなかったんです。
でもそれは「認める」と「褒める」を同一視していたからだっていうことがわかりました。
「認める」ということには種類があり、「褒める」ということはその一部に関係するものであること。
そしてその「褒める」の前提に位置するものとして存在承認というものがありました。
「認める」ことには種類がある
「認める」ということは、「承認する」ということなんですが、これには種類があるんです。それらが以下のものです。
存在承認 | そこにいることに気づいて、存在そのものを認めること |
変化承認 | 良い方向へ変化したことを認めること |
成果承認 | 成果や結果を認めること |
存在承認とは
存在承認とは、「私の意識の中にあなたはちゃんといますよ」というメッセージです。
相手を心から信頼し、存在そのものに敬意を払う姿勢のことを言います。これはふだん無意識で行っていることかもしれません。
変化承認とは
変化承認とは、良い方向へ変化したことを認めるということです。
例えば、上司の方が「仕事がはやくなったね」と声をかけるのは、その人の変化を認めているという変化承認です。
成果承認とは
成果承認とは、成果や結果を認めることです。「目標達成、おめでとう!」というような声がけがこれに相当します。
「認める」と「褒める」の違い
変化承認と成果承認は、褒めることに近いですね。
「褒める」とは、相手の良くなった点や達成した成果を取り上げ、相手を肯定的に評価し、それを伝えることです。
これに対して、「認める」とは事実や存在をそのまま伝えることであり、肯定・否定にかかわらず評価を含みません。
これを端的にあらわしているのが、存在承認というものだと思います。
存在承認とは具体的にはどんなこと?
では、存在承認とはいったいどのようなことでしょうか?
「そこにいることに気づいて、存在そのものを認める」ためのメッセージとは具体的にはどうしたら良いのでしょうか?
- 挨拶する
- 目を見て話す
- 感謝する
- 変化に気づく
- 約束を守る
- すぐに反応する
普段何気なく行っているこれらの行動は、すべて存在承認です。すなわち、存在承認とは相手に敬意と関心を持って接していることを実証する基礎となる行動ということです。
もちろん、変化承認や成果承認も敬意と関心を持って接していることに変わりはありません。
しかしながら、存在承認がなければ変化承認も成果承認もあまり意味をなさない、というのは火を見るよりも明らかです。
存在承認なくして、変化承認や成果承認なし
いつ報告に行ってもキーボードを打ち続け、ディスプレイを見ながら生返事をしている上司に突然「目標達成、おめでとう!」って言われても、素直に受け入れられますか?
いつも話しかけたら、すぐにキーボードから手を離し、聴く姿勢をとってくれる上司に「おめでとう!」と言われたほうがうれしくないですか?
このように、ふだん無意識に行っている存在承認こそが「認める」の原点であり、これなくして変化承認や成果承認はないと言えます。
また相手を認めるためには、評価の気持ちや先入観のような勝手な思い込みがあっては、本当の存在承認はできないと思います。
まとめ
良いコミュニケーションのためには「認める」というスキルがとても大事であることがわかりました。
そして「認める」があることによって、はじめて相手が話しやすくなり、「聴く」、「質問する」ということがスムーズにできるのではないでしょうか。
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