ちょっと古い資料ですが、2011(平成23)年度高等学校等における国際交流等の状況(文部科学省)の統計資料を見ていて気になったことがあったので、ブログに綴ってしまいました。
高校生の海外留学の減少と阻害要因等についてというグラフなんですが、留学を希望しない理由の第1位が「言葉の壁」なんです。
「言葉の壁」があるから行くんじゃないの?と思いました。
これだけみると日本は40年前とあまり変わってないなぁという印象です。
さまざまな分野で海外で活躍している方は多くなったと思いますが、一方でマクロ的にみると海外に出ていこうという高校生がまだまだ増えていないと思うんです。
海外に1年留学するとなると費用もかなりかかりますから、2008年のリーマンショックから高校生の留学生数が減少傾向になったことはよくわかります。
高校生の場合その費用を工面するのは通常親御さんたちですから。。。
でも阻害要因の第1位が「言語の壁」というのは、ちょっと違うんじゃないかと思います。
あえて高校生の時に海外留学を経験するのが、その後の人生を豊かにしてくれるって考え方もありではないでしょうか?
交換留学生になるまでの経緯
私が40年ほど前に交換留学に参加したときにも、大きく分けて私費留学と交換留学の2種類の方法がありました。
私の場合には、経済的な理由で私費留学はまったく考えられなかったので、交換留学を目指しました。
当時は、「Love Boat」というドラマが放映されていて、それを見ているうちにどうしても米国に行きたくてしかたなかったのを憶えています。
交換留学生になるには筆記試験と面接があったので多少勉強していましたが、ぎりぎりまでどうするか両親とともに迷っていました。
本当に生活していけるんだろうか?
話が通じなかったらどうしよう?
漠然とした不安なのですが、実はこれが「言語の壁」だったんです。
迷いすぎてすでに東京での試験日は終わってしまったので、ようやく決心したときには「受かったら留学費用だしてくれ」と両親にお願いして大阪へ受験しにいきました。
当時千葉県に住んでましたから、なんと無計画なことだったのかと思います。
高校生の海外留学はホームステイが基本
未成年である高校生の交換留学の場合は、ホームステイが基本となります。
一般家庭に滞在して、その国、またはその地方の風習にどっぷり浸かった生活を送ることになりますが、これが高校生で留学する最も良い点であると思います。
家族として受け入れられることで、必然的に近所付き合いや教会へ通うことを通じて、異なる世代との交流ができますし、生活の中で家族としてやらなければならない役割を体験することができるからです。
高校生に「言葉の壁」なんてない
確かに何度言っても通じなくて自己嫌悪に陥ったり、しばらくするとホームシックになったりする時期もありました。
もし通じなかったら、通じるまで話せば良いことです。きっとホストファミリーも通じないことを楽しんで会話してくれると思います。
これはまさに高校生として留学する時の特典だと言えます。
私の場合も本当に「言葉の壁」を感じたのは、社会人になって海外出張で商談した時でした。
日常生活で会話するのと、ビジネスで目的をもって会話するのとはまったく違います。
まとめ:「食わず嫌い」はやめよう
今思えばホストファミリーを含めいろいろな方に世話になりながらも、貴重な経験をさせてもらったといえます。
そしてその後の人生が豊かになったと感じることができます。
「言葉の壁」なんて「食わず嫌い」と同じじゃないでしょうか?
1日でも早く、日本の高校生が留学を希望しない理由の第1位が「言葉の壁」ではなくなることを祈ります。
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