内閣府が発表した平成30年度 生活状況に関する調査の結果は、かなり衝撃的なものでした。
自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万3千人にのぼるとのことです。
今まで引きこもりといえば若者という先入観がありましたが、中高年の引きこもりの推計数が、39歳までの若者から壮年層までの推計数 54.1万人よりも多いという事実を目の当たりにすると、中高年に対する日本の現代社会の厳しさが白日の下にさらされた結果だといえるでしょう。
自分がこの中高年世代になってみて、はじめてこの世代のおかれた環境が非常に厳しいものであるということを身にしみて感じます。
中高年が背負うものは重い
個人差があるとはいえ、だいたい50歳前後になると会社では先が見え、プライベートでは親の介護とともに、お子さんがいる場合にはその学費が頂点に達する時期です。
本来収入を一時たりとも途絶えさせることができないプレッシャーとともに、これらの負荷を一身に背負いながら毎日の困難に立ち向かう日々を送らなければなりませんから、引きこもりのきっかけが、
- 退職した
- 人間関係がうまくいかなかった
- 病気
- 職場になじめなかった
- 就職活動がうまくいかなかった
であることに示されている通り、ちょっとしたきっかけで「もういいや」という気持ちになってしまうことが容易に想像されます。
中高年の場合引きこもりの状態から抜け出すのが難しいのは、きっかけがそうであったとしても、その裏に隠されたさまざま原因が複合的に重なり合って引きこもる状態を作っているからだと思います。
さらに若い頃は体力に自信があったとしても、この年代に入ると、自分の想像以上に体力や気力の衰えを痛感することになります。
このため若者以上に心が蝕まれる可能性は高いのではないでしょうか。
残念ながら、現在の日本ではそこから抜け出せるための社会的環境が整っているとはいえません。
それ以前に中高年に対する社会的通念では、その年代になると仕事にバリバリ精をだし、一家を支えている姿を想像し、そのレールから外れている場合には、若い頃にサボったからだというような画一的な認識がはこびっているのが現状ではないでしょうか。
決して若い頃にサボっているわけではないのにもかかわらず。。。。
このような日本の社会の現状と、就職氷河期の苦しい時期を目の当たりにした若者が、会社に入るという選択肢を捨て、ぞくぞくと起業や自活の道を探っているのではないかと思います。
中高年こそ過去を悔やむのではなく、未来を見据えて希望をもって歩むべき
いづれにせよ他力本願で状況が変わるわけではなく、一時的に家族をはじめとした様々な周りの環境に支えられながらも、自ら中高年として最後の気力を振り絞って、少しずつでも日々の環境を変えていく努力をするべきだと思います。
中高年こそ長かった過去を悔やむのではなく、未来を見据えて希望をもって歩んでいくことが大切です。
人生百年時代とするとまだまだ先は長いのですから、やる価値は十分残っています。
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