古ダンボールの国内での買取価格が急落しているのをご存知ですか?
なぜそのようなことが気になったかというと、職場の事業所で日々でる大量の古ダンボールについて、その回収業者より買取価格引き下げの要望があったためです。
現状では、国内の古紙卸売業者の在庫が過多となり、製紙業者への販売価格が急落しているため、古紙卸売業者に古ダンボールを提供する、回収業者の買取価格の引き下げ要望につながっています。
直接的な原因は、長期に渡って日本からの古ダンボールの輸入に頼っていた中国が、古紙を含むごみ資源の輸入制限を発動したことによります。
この記事では、古ダンボール買取価格が急落した原因を探る過程において、日ごろ家庭で各自治体の資源ごみとして捨てている古ダンボールを、身近なリサイクル問題として捉えてみたいと思います。
ダンボールはリサイクルによって、森林資源の保護につながる
まずは改めてダンボールはリサイクルされている、ということを認識する必要があります。
国内のダンボールの主原料は、9割程度がリサイクルされる使用済みダンボールで、残りはパルプです。
パルプは主に木材から生産される植物繊維ですから、パルプの消費は森林資源の減少に直結することは言うまでもありません。
ダンボールをリサイクルすることは、森林資源の保護につながっているということです。
古ダンボール買取価格急落の原因は、中国の輸入制限にある
ダンボールの買取価格は、需要と供給のバランスによって形成される相場によって決まります。
需要過多になった場合は相場が高騰しますし、逆に供給過多になった場合は、当然ながら相場は下落します。
現在のダンボールの買取価格急落の直接的な要因は、中国の輸入制限にあります。
中国政府は、国内の景気拡大が一段落し、環境問題に本腰を入れ始めた結果、古紙を含むごみの輸入制限を実施しました。
14億人を擁する中国では、ダンボール生産のために、長きに渡り日本など各国からの古紙輸入に頼っていました。
しかしながら、ごみ処理費用の低減を目的とした中国国内での古紙回収が進んできたこと、および中国国内の景気減速にともなうダンボール需要が減っていることを主な理由として古ダンボールの輸入制限に踏み切りました。
このため、日本国内の古紙卸売業者は中国への輸出が制限され、国内での古紙在庫量が増えた結果、需給のバランスが崩れ、古ダンボールの買取価格が急落したという構図になります。
なぜ雨の日はダンボールを回収しない自治体があるのか?
古ダンボールなどの古紙回収は、単位重量(通常kg)の相場価格によって取引されます。
この時、濡れたダンボールの重量がかさ増しになることは、火を見るより明らかですよね。
重量の違いはさておき、より重要なことは、濡れた古ダンボールにはカビが生えやすいというものです。
回収後すぐに再生処理されるのであれば、多少の濡れは問題ないかもしれません。
しかしながら、通常回収業者によって回収され、次に古紙卸売業者で保管された後、製紙業者に販売される流通経路によっては、濡れたまま保管される期間が長くなり、カビが生えやすくなることは想像に難くありません。
カビ臭い再生ダンボールに、生鮮食品を入れて配送することが許されますか?
ダンボールに匂いは大敵なんです。
重量のかさ増しや、カビの匂いを消すために余計なコストがかかるとしたら、一部の自治体が、雨の日にダンボールを回収しない理由にも納得できるものがありますね。
まとめ:リサイクルを身近な問題として再認識してみよう
ネット通販が拡大するなか、個人が家庭で利用するダンボールの量はさらに増えていくと思われます。
古ダンボールに限らず、環境保護、資源保護のために考えれたリサイクルは、身近な問題としてひとりひとりが再認識し、適切に処理することが重要ですよね。
少なくとも古ダンボールは、雨に濡らすことのないように捨てましょう。
せっかくのリサイクル資源が、不必要な焼却ごみになりかねないのですから。。。
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