海外に行った時にトラブルに見舞われたことはありませんか?
トラブルの内容は多種多様ですので、確実な対処法が存在するわけではありませんが、事前の準備次第で、不必要なトラブルに見舞われる確率を下げることができます。
不幸にもトラブルに見舞われた場合でも、出発前の備えや有事の際の冷静な対応で、トラブルを切り抜けることができるかもしれません。
この記事では、過去に自分で経験したトラブルをもとに、特に初めての場所に行く時の心構えをまとめておきます。
空港から「白タク」に乗ってしまったトラブルの顛末
これは海外出張で初めての場所に行った時の出来事です。
20年以上前のことで、現在とは状況が変わっているかもしれませんが、結論として、「出発前に目的地までの経路を入念に調べておくこと」は、今でも通じる話になります。
警戒していたにもかかわらず、空港から目的地まで「白タク」に乗ってしまったのです。
結果的に通常の3倍の金額を払わされることになりました。
事前に目的地までの経路をしっかりと調べておき、落ち着いて行動していれば防げたトラブルでした。
なぜ警戒していたのに「白タク」に乗ってしまったのか?
ニューヨーク郊外を目的地として、ジョン・F・ケネディ国際空港に降り立ったのは、まだまだ日が高い時間でした。
この時は、目的地のホテルの住所がわかっているため、現地に着けばなんとかなるだろうという甘い考えで出発したのです。
目的地は、空港から車で小1時間ほどかかる場所でした。
通常の海外旅行の場合は、ツアーなどで現地ガイドがつくことが多いと思いますが、気ままな一人旅や海外出張では、個人でなんとか目的地までたどり着く必要があります。
海外の慣れない場所では、何が起こるかわからないため、自分では十分注意していたつもりでした。
空港で見知らぬ男に、「どこまで行くんだ?」と声をかけられました。
場所を告げると、彼は親切そうに「サポートしてあげるよ」と言いました。
当然警戒していましたので、「大丈夫」と答えると彼はそのまま立ち去りました。
しかしながら、この時は目的地までの経路を調べていなかったため、空港の案内カウンターでどのように行けば良いか聞かなければなりませんでした。
米国の空港からは、タクシーかリムジン、またはレンタカーを借りる手段があります。
鉄道ですと、最終的に目的地の最寄り駅からタクシーなどの車での移動が必須になりますので、空港から車で移動するのがベストです。
ニューヨークのタクシーは「イエローキャブ」という黄色いタクシーになります。
この時イエローキャブは乗車待ちの長い列になっていましたので、リムジンで行こうと決心しました。
そこで空港の案内カウンターで、リムジンの呼び方を尋ねていたわけです。
その時先程の男が近づいてきて、案内カウンターの人と何か会話をしました。
案内カウンターの人が、「この人について行け」と言うので、警戒感が少し緩んでしまいました。
あとで思えば、案内係に「知り合いだから、自分がサポートするよ」とでも言ったのでしょう。
空港内にはリムジンを呼ぶための電話機がたくさん並んでいる場所があります。
その男は、その中のある1台の電話機を取ってリムジンを呼んでくれているようでした。
その後、「リムジンはこっちにくるから連れて行ってあげる」と言って、スーツケースを持ってどんどん先に行ってしまいました。
この瞬間に対処すべきでしたが、スーツケースごとどんどん遠ざかっていくので、追いつくのがやっとでした。
やっと追いついた時には、スーツケースは1台のセダンのトランクにしまわれた後だったのです。
もちろん、「リムジンに乗りたいから荷物を返せ」と訴えたのですが、リムジンの許可証のようなものを見せられ、自分もリムジンだと主張して譲りませんでした。
周りは誰もいないし、スーツケースには大事なものが入っており、ここで逃げると一生スーツケースは戻ってこないと思いましたので、「清水の舞台から飛び降りる気持ち」で乗ってしまいました。
出発前に目的地までの経路を入念に調べておくこと
目的地までの時間は非常に長いものでした。
途中で高速道路を降りて、スラム街(どこだかわかりませんが、この時はスラム街に見えました)で、運転手の男がバスケットボールで遊んでいる男の知人と言葉を交わしている時は、正直生きた心地がしませんでした。
さらに不安になったのは、後部座席のドアロックの取手が取り外されているのを発見した時です。
ドアはロックされており、運転席で操作しないとドアを開けることができないとわかりました。
その時は、目的地までの経路を入念に調べておくべきだった、と大いに反省したものです。
と同時に、この局面をどう乗り切るかを考えていました。
現金は必要最小限を小分けして持つ
幸い目的地に向かっていることが、道路標識でわかりましたので、落ち着いて対策を練っていました。
車は目的地のホテルから少し離れた、薄暗い路地で止まりました。
当然運転手の男は、料金を払うよう要求してきました。
その額が正当なものではないことは感覚的にわかります。
そこで財布を見せて、現金がこれしかないと訴えましたが、それで許すわけがありません。
とっさに「トラベラーズ・チェックがあるから、ホテルのフロントで両替して払う」と言い張りましたが、当然のことながらそれも拒否されました。
今はもうありませんが、当時はトラベラーズ・チェックという、サインすれば現金として扱われる小切手が主流でした。
最終的に「トラベラーズ・チェックで良いから払え」ということになり、震える手でサインしたのを憶えています。
ドアのロックが外れたときには、生き返った気分でした。
実はその時、財布の中身以外にも現金を小分けして持っていました。
靴下の中や内ポケットに分散して持っていたのです。
十分支払える額がありましたが、分散して持っていたおかげで、わずかな現金しか所持していないように見せかけることができました。
まとめ:海外でのトラブルに備えて事前準備は入念にする
このケースだけでなく、海外では多種多様な予期せぬトラブルが起こる可能性がありますので、事前の準備は入念にするようにしてください。
少なくとも落ち着いて行動できるよう、
- 目的地までの経路を入念に調べておく
- 現金は必要最小限を分散して持つ
などの基本的なことは事前に対処しておいて、冷静に対応することにより安全な旅を確保するようにしましょうね。
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